小さなお仏壇やモダン仏壇など、デザインもサイズもいろいろなお仏壇が登場する時代となりました。
形はいろいろあるけれども、お仏壇を用意することの本質ははずさないようにしたいものです。
仏壇とは何か?という記事でも書きましたが、お仏壇の主役は仏様です。
お仏壇を用意される時には、きちんとした形でご本尊をお迎えしたいものです。
浄土真宗の仏壇にご本尊を安置する方法をまとめました。
浄土真宗のご本尊の掛け方
浄土真宗では阿弥陀如来という仏様をご本尊として大事にしています。
ご本尊には下の3つのタイプがあります。
- お名号(「南無阿弥陀仏」の掛け軸)
- ご絵像(阿弥陀仏の絵)
- ご木像(阿弥陀仏の像)
この3つは阿弥陀如来という仏様を言葉で表現したか、絵で表現したか、彫刻で表現したかの違いです。
本来阿弥陀仏という仏さまは目にも見えないし、色も形もないものなので、そのままでは私たちにわかりません。
そこで、名称か、ブロマイドか、フィギュアかで人間にわかる形にしたということですね。
名号・絵像・木像のいずれかを仏壇の最上段の中心に安置します。
- 正面・・・・・・阿弥陀如来の絵像
- 向かって右・・・十字名号(帰命尽十方無碍光如来)
- 向かって左・・・九字名号(南無不可思議光如来)
ご家庭用の仏壇には絵像が勧められます。
正面に阿弥陀如来の絵像。

向かって右が十字名号(帰命尽十方無碍光如来)

向かって左に九字名号(南無不可思議光如来)

九字・十字の2つのお軸は阿弥陀仏のはたらきを言葉で表現したものです。
このように3枚の掛け軸を掛けるのが正式な飾り方です。

別の飾り方
興正派の場合、別パターンで飾るとするなら
- 正面・・・・・・阿弥陀如来の絵像
- 向かって右・・・親鸞聖人の絵像
- 向かって左・・・本寂上人の絵像
というのも正式作法として存在しますが・・・正直ほとんど見かけません。
十字名号と九字名号を飾られたらよいと思います。
ご本尊はどうやってお迎えすれば良いの?
ご本尊はお仏壇屋さんでもお迎えすることができますが、本来は各宗派の本山よりお迎えするのが正式です。
本山からお受けしたものはお軸の裏側に公式の本尊であることを証明する裏書きがあります。
ご自身の所属している檀那寺さんに頼めば手配してくれるはずです。
興正派なら興正寺、本願寺派なら本願寺、大谷派なら東本願寺からお迎えしましょう。
本山興正寺からお受けできるご本尊のサイズはこちら。
形 | 幅 | 高さ |
---|---|---|
30代 | 10cm | 25cm |
50代 | 12cm | 32cm |
70代 | 15cm | 41cm |
100代 | 18cm | 50cm |
150代 | 24cm | 67cm |
200代 | 30cm | 80cm |
各宗派によって幅と高さに微妙な違いがありますが、だいたい同じサイズです。
「代」というのは絵像の大きさを表した単位で、中に掛けるご本尊のサイズです。
この「代」にあわせて仏壇のサイズが決まっています。
お仏壇のサイズが70代という表記だったら、70代のご本尊が入るサイズですよということです。
ご本尊のサイズが基準となって外側の仏壇のサイズが規定されているというところからもお仏壇はご本尊を迎える場所だということがよくわかりますね。
モダン仏壇やミニ仏壇の場合はどうしたらいいの?
今は家庭の事情からモダン仏壇のような小さなお仏壇を迎える方もおられると思いますが、ご本尊がないとそれは仏壇とは言えません。
ミニ仏壇やモダンなデザインのお仏壇も増えていますね。
モダン仏壇やミニ仏壇の場合も、ご本尊は必ずお迎えしましょう。
公式のご本尊ではサイズが合わない場合は、その仏壇に入るものをご用意ください。
3枚掛けるスペースがない場合は中心の阿弥陀如来の絵像だけを掛けるとよいでしょう。
掛け軸が小さくてうまく掛けられない場合はこのような掛軸台を利用するとよいですよ。
ご本尊の掛け方まとめ
住宅事情や家族構成の変化によってお仏壇のあり方は変わりつつあります。
状況に応じて、お仏壇の大きさや形はいろいろと変わってしまうのは仕方ないと思いますが、仏壇とは何なのか?という本質はおさえて欲しいところ。
仏壇にはきちんとご本尊をお迎えして手を合わせて頂ければと思います。