こんにちは、善照寺住職です。
2017年8月10日に盂蘭盆会法要をつとめさせていただきました。
法要ってどんなことをやっているのかわからない方も多いと思いますので、タイムスケジュールを書きますと、
- 10時〜 開式・読経
- 10時半〜12時 法話
- お斎(うどんの接待)
- 解散
こんな感じですね。
通常②の法話は講師の先生をお迎えするのですが、今回は自分でつとめさせて頂くことに。
新しい試みとしてKeynote(パワーポイントのようなプレゼンソフト)でスライドを作ってお話しましたよ!
タップできるもくじ
仏教の言葉って難しすぎる。
仏教用語って漢字も難しいし、普段の生活で使わない言葉も多いから耳で聞いただけでわからない人がほとんどだと思うんですよ。
通常、法話をするときには一番最初に讃題(さんだい)というものを読み上げます。
讃題というのは親鸞聖人の書かれた教行信証の一節や、和讃(日本語を使って歌の形式で表現したもの)などを最初に読み上げることでその話の主題を明確にする目的があるんですが……
お坊さんになりたての頃は、他の先生の話を聴きに行った時にこの最初の讃題からして何言ってるのか全然わからないィィィ!
なんてことがしょっちゅうありました。
こんなん言われても全然わかりませんよね!!!!
耳で1回聞いただけでどんな言葉か聞き取って、意味までちゃんとわかる人はほとんどいないんじゃないかと思うんですよ。
みんな「ふんふん」ってわかって聞いてるような雰囲気だけど、絶対わかってない。
▼そういう経験があるのでスライドを作ることにしました。
文字で見ながら聞くと少しは伝わりやすくなると思うんですよね。
このスライドを作ってお話をするってのは予想以上に大変好評でした。
スライドを作るメリット
今回初めてやってみてわかったんですが、法話にスライドを用いるのは非常にメリットが多くて
- 言葉の漢字表記がわかるので意味がわかりやすい。
- 耳が遠い方も目で見て意味がわかる。
- 黒板に書くよりも文字がはっきり見える。
という点があげられます。
お寺に話を聞きに来られる方は年配の方が多いので、
「耳が遠くて普段は話の内容がわからない時が多いけど、今日の話は内容がよくわかってすごく良かった!」
という感想を頂けて非常に手応えを感じました。
▼目で見る情報は記憶にも定着しやすいですしね。
講師も玄人、聞く方も玄人ばかり集まるのであれば専門用語で話をしても通じるかもしれませんが、そんな状況はほとんどありません。
はじめてお寺に来たよという方にも満足してもらうためには、形にとらわれず、話す側が伝えるために歩み寄る努力が必要不可欠だということを再確認しました。
スライドを作るのは話者にとってもメリットが多くて
- 話が脱線しない。
- 画面をみながらタイムキープがしやすい。
- 話の途中で頭真っ白になっても、もとの話に戻れる。
という点ですごく話がしやすく感じました。
デメリットがあるとすれば、この話はここではウケない!って途中ではっきりわかった時にも修正しづらいということですかね。
あとは布教作法だ何だってお坊さんから突っ込まれることぐらいか……
まとめ
こういう新しい事をすると批判も絶対でてくるんですが、本質的には話を聞きに来られた方に内容が正確に伝わるということが一番大事だと考えています。
というかこんなスライドを使うのなんて普通のセミナーだとあたり前なんですけどね……。
なかなか仏教界というのは新技術が導入されにくいのです。
しかし、親鸞聖人も今までになかった新しい視点を人に伝えたから歴史に名が残ったわけです。
伝える方法でいうなら蓮如上人が木版で刷りまくったのだって当時前例がなかった方法です。
こうやってブログを書く事もそうですが、時代に応じたやり方をどんどん模索して現代人にも必要とされるお寺にしていきたいですね。
カナシキカナヤドウゾクノ〜リョウジキチニチエラバシメ〜テンジンジギヲアガメツツ〜ボクセンサイシツトメトス〜