檀家さんのおうちで法事をつとめた時に、ときどき親戚の方からこのような質問を頂きます。
「うちは新家になりますので、今は仏壇がないんです。 いずれは仏壇を用意しないといけないと思うんですが、仏壇っていつ買うのがいいのでしょうか?」
仏壇は誰か家族が亡くなった時に用意するものと考えている方がほとんどだと思いますが、実はそうではないんです。
浄土真宗においては故人のためだけに仏壇を置くわけではありません。
今日は仏壇の購入時期について解説します。
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仏壇は思い立ったら買ったらいい
結論から言うと、仏壇を買うタイミングは「いつでもいい」です。
そもそも仏壇とは何か?ということを考えるとその答えがでてきます。
仏壇は仏様に手を合わせ、仏教の教えに出会う場所です。
仏教はいかに生きるのか?という教えですから、生きているうちに出会わないと意味がありません。
家族が亡くなってからでは遅すぎるのです。
ですので、仏壇は思い立った時にお買い求めいただいたらかまいませんよ。
葬儀のあと仏壇を用意する方は四十九日の法事までがおすすめ
そうはいってもご家族が亡くなられてから用意される方が多いとは思います。
四十九日の法事は、葬儀の時に使う「白木の位牌」から「過去帳」や「繰り出しの位牌」に切り替えるタイミングでもあります。
浄土真宗では過去帳を使うのが正式ですが、現状うちの近所では地域の慣習もあって位牌を用意している家が大多数です。
法事にあわせて仏壇をはじめ花瓶や香炉などの道具一式をそろえると法事もスムーズに行えますね。
浄土真宗ではあくまで故人を偲ぶということを通して、ご本尊である阿弥陀仏に手を合わせています。
ご本尊がない状態で故人の遺骨に手をあわせるのでは浄土真宗の本義とズレてしまいます。
ご葬儀のあと仏壇をお持ちでないかたは早めに用意された方が良いですね。
そしてご本尊をきちんと安置してお参りしましょう。
仏壇購入に関する迷信
仏壇の購入に六曜は関係ない
仏壇の購入を考えている方の中には納入される日が六曜の何にあたるのかを気にされる方もいますが、それも気にする必要はありません。
そもそも仏教と六曜は関係ないものですしね。
物事の因果関係をはっきりと見ていきましょうというのが仏教の教えですから、迷信にまどわされず日を選んでいただいたらいいですよ。
仏壇を買ったら早死にする?
他にも「仏壇なんか早くから買ったら早死にするぞ!」なんてことをいう人までいるんですよね・・・。
それが本当のことだったらお寺の家族なんて全滅ですよ・・・。
仏壇の意味を考えても不適切ですし、仏壇を買うことと早死にすることには何の因果関係もありません。
何度もいいますが、物事の因果関係をはっきりと見ていきましょうというのが仏教の教えですから。
仏壇を買ったから早死にするなんてことはありえないということをおさえておきましょう。
家を建てる時にも仏壇の購入を頭においておこう
昔は仏壇を安置するということを計算にいれて家の設計がなされていました。
どの家も仏間を用意していたし、すぐに仏壇を買わないとしても「いずれこのスペースには仏壇を置く」ということが計画の中にあったんですね。
ですが、今は仏壇を置くスペースをまったく考えないまま設計する方も増えているように思います。
たしかに都会の住宅事情を考えると難しいというのもわかりますが・・・
なぜか神棚はしっかり用意するのに、仏壇はないがしろになるんですよね。
都会の方は特に大きな仏壇を用意することは難しいと思いますが、家を設計する段階でどのように仏壇を安置するのかも検討されることをおすすめします。
できることなら最初から用意できるといいですね。
仏壇の購入時期まとめ
仏壇の購入時期についてまとめます。
- いつ買ってもよい。
- 家族が亡くなってから買うのではない。
- お日柄や迷信は関係ない。
- 家を建てる時には考えておこう。
いのちを尊重し、手を合わせる生き方をするために、早めに仏壇も用意できたらいいですね。
木の材質や塗装の質感など、実際に目でみて納得のいくものを選んでくださいね。