こんにちは、お坊さんブロガーのへんも(@henmority)です。
家を建てる・車を買う・結婚する・・・など、何か大きなライフイベントにふと気になるのが六曜ですよね。
仏滅にこんなことやってもいいの?とか赤口に納車してもいいの?とか、何かと気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では六曜は気にする必要があるのか?を解説していきます!
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六曜
六曜とは
中国ではじまった暦のルールで6つの曜日を指すことばです。
- 先勝
- 友引
- 先負
- 仏滅
- 大安
- 赤口
この6つの曜日は月の運行を基準にする「旧暦(太陰暦)」をもとにルールが決められています。
- 1・7月の1日は先勝
- 2・8月の1日は友引
- 3・9月の1日は先負
- 4・10月の1日は仏滅
- 5・11月の1日は大安
- 6・12月の1日は赤口
旧暦の1月1日は先勝からはじまって1月1日(先勝)→1月2日(友引)→1月3日(先負)・・・と順番にすすみ、月末がきたらそこで一旦ストップ。
2月1日になると友引からはじまって2月1日(友引)→2月2日(先負)→2月3日(仏滅)・・・というようになります。
まぁ要するにただの暦のルールで、現在月曜・火曜・水曜・・・と使っている七曜と同じようなものです。
変則的な規則があるように見えるのは旧暦に対応しているからで、現在の太陽暦の暦とはズレています。
伝統的な古い風習ですから仏教的なものと考えている方も多いのですが、実は仏教と六曜はまったく関係がありません。
じゃあ神道に関係あるものなのか?
というと、それも関係ないんです。
中国の陰陽道で使われていた暦が鎌倉から室町時代に日本に入ってきたといわれていますが、どうやって始まったのかもわかっていないという謎の風習なのです。
では六曜のひとつひとつを見ていきましょう。
六曜の種類
- 先勝
- 「せんしょう」「せんかち」「さきがち」「さきかち」などと読まれます。
「先んずれば即ち勝つ」という意味で何事も急いでちゃっちゃとやるのが良いとされます。
午前中がツイてて、午後はよくないらしいです。
- 友引
- 「凶事に友を引く」と言われますね。
葬式をすると「友を引く」なんていうことで火葬場がしまっている地域が多くあります。
慶び事は、友にもお裾分けということで結婚式などを友引にされる方も多いですね。
- 先負
- 「せんぶ」「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」などと読まれる。「先んずれば即ち負ける」の意味で午前中よくなくて、午後がツイてる日。
- 仏滅
- 「仏も滅するような大凶日」の意味で、六曜の中で最も凶の日(赤口が1番悪いという人も)、結婚式などの慶事を敬遠する方もいますね。一日中ツイてない日というのが通説ですが、人によっては午後は大丈夫とする説もあります。
- 大安
- 「大いに安し」という意味ですね。
六曜の中で最も良い日とされます。
何事においても吉、成功しないことはない日とされ、特に結婚式は大安の日に行われることが多いですね。
- 赤口
- 「しゃっこう」「しゃっく」「じゃっく」「じゃっこう」「せきぐち」などと読まれ、陰陽道の「赤舌日」という凶日に由来するそう。午前11時ごろから午後1時ごろのみツイてて、それ以外はよくないとされています。
この日は「赤」という字が付くため血を連想させ、火の元、刃物を扱う人は特に気をつけなければいけないそう。仏滅よりもツイてない日。
・・・・ということらしいけど、書いててばからしくなってきました。
声を大にして一言言わせてもらおう。
そんなわけねーだろ!
六曜はこの特徴的な漢字表記のせいか、何の根拠もないただの暦なのに日の善し悪しという謎の風習を生み出しました。
これを読んでいる人の95%の人は今日が六曜の何に当たるかもわからないと思います。
そうやって普段気にもしていないのに、なぜか特別な時だけ気になる人が多いんですよね。
結婚式や葬儀などの冠婚葬祭、車の納車、建築関係、宝くじなど何か勝負事や大きな出来事を決める時なんかが代表ですね。
何か良さそう、もしくは何か良くなさそう、と大事な出来事の日程を六曜を基準にして決めたりしてますけど、実は六曜はまったくあてにならないものなんですよ。
六曜はもともとこんな漢字じゃなかったよ。
この六曜、実は時代とともに表記や言葉が変化しています。
諸説ありますが、もともとは現在使われている漢字とは違った言葉でした。
- 即吉→先勝
- 共引→友引
- 周吉→先負
- 虚亡→物滅→仏滅
- 泰安→大安
- 赤口
こんな風に赤口以外は全てもとの漢字と言葉が変わっているんですね。
友引は共引
もともと友引は共引と書かれていて、「共引」は先勝と先負のあいだにあり「共に引き分け」という意味です。
それがどういうわけか「友」という漢字に変換されて「友引」と書かれるようになり、後付けで友を引く日だなんて言い出したのです。
たったこれだけの、こんなしょうもない理由で
「友引に葬式してなんかあったらダメだ!」
というようになったのです。
地域によっては友引が火葬場の定休日になっていて閉まっているところも多いですよね。
だいたい、友を引く日に葬儀をしたら「亡くなった方のせいでまた別の死者がでる」なんて失礼極まりないことだと思いませんか?
まぁ365日24時間体制のお坊さん的にはこの日は葬儀が入らないという「予定を確保できる日」があるのは助かります。
お坊さんどうしの勉強会や会議などができますからね。
しかし、友引にそれ以上の意味はありません。
仏滅は物滅
仏滅も仏が滅する日だから悪い日なんてのは後付けです。
もともとは物が滅する「物滅」から字が変換されて「仏滅」となりました。
この漢字変換には暦の上での数学的な偶然もあったのだと思います。
お釈迦様が亡くなられた日は旧暦の2月15日。
2月は友引からはじまりますので友引→先負→仏滅・・・・と進んでいくと2月15日は100%仏滅にあたります。
これはたまたまです。
ですが、「字面」と「日にち」という偶然も重なって、「仏が滅する」なんて意味が後付けされたのでしょう。
なんで特別な日だけ六曜を信じるの??
どうせ六曜を気にするんなら普段から気にしてみたらどうでしょう。
物事は極端にするとよくわかります。

とか

みたいな事が通用するかという話です。
どう考えても通りませんよね。
日がいい、悪いなんてのが行動指針になるなんてあまりに馬鹿げていると思いませんか?
六曜まとめ
ここまで言って、頭で理解できても納得がいかないのが迷信の根深さです。
浄土真宗の開祖、親鸞聖人は和讃の中でおっしゃっています。

かなしきかなや道俗の 良時吉日えらばしめ 天神地祇をあがめつつ ト占祭祀つとめとす
言葉が難しいので唯円くんに訳してもらいましょう。

一般の人たちも僧侶も、日がいいとか悪いとかめっちゃ言うのよね。
それであちこちの天の神や地の神をおまつりしたり、あてにもならん占いや祈りごとばっかりして、本当に考えないといけない肝心なことが抜け落ちている、つらたん・・・(´・ω・` )
って事ですね!
今から750年も前にこの和讃が読まれ、その時と同じように根拠もない迷信に多くの人が振り回されているんだから、いかに人類は成長していないかということですね。
それだけ人間の迷信に対する不安感は根深いということなんでしょう。
本当に六曜が力を持っているとしたら、車の納車日を大安にすれば事故は起こらないはず。
大安に結婚式をして夫婦生活がうまくいくなら結婚した人の3分の1も離婚しないでしょう。
まぁ離婚が不幸かどうかは人によるので、よくないことかどうかはわかりませんが。
結婚式場は大安や友引の土日から予約が埋まりますので、なんだかんだいまだに強い影響力があるということですね。
はっきりいいます。
仏滅に結婚式したからといって何も悪いことなんて起こりませんよ。
むしろそういう合理的な判断をできる相手と結婚する方が、夫婦生活もうまくいくんじゃないかとさえ思います。
今の暦で言い換えたら、

月曜日に結婚式するのは縁起悪い、火曜日にしよう!
みたいな話ですよ。
要は何か起こった時に、自分の責任にしたくないということなんですよね。
何か悪いことが起こってもいかに受け止めていくのか?というのが人生の醍醐味であり、自分の人生を責任をもって生き、理性的な判断をするということが重要なのです。
友引に恋人にフラれることもあるし、大安に交通事故にあう人もいます。
何が本質なのか見極める目を持って、理性的に生きたいものですね。
その日を良くするのも悪くするのもあなた自身の生き方ですよ。
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