新年あけましておめでとうございます。
年賀状のデザインとともに、修正会での法話でお話させていただいた内容をこちらに掲載し、皆様への新年のご挨拶とさせて頂きます。
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年齢の数え方
現代社会に生きるわれわれにとって、年齢というと誕生日が来たら1才年をとる「満年齢」を考えますよね。
しかし、日本の古来の年齢の数え方というのは満年齢ではなく「数え年」という数え方で年齢を数えていました。
この数え年というのは今はあまり使われませんが、昭和24年に「年齢の数え方」が法律で決まるまでは日常的に使われていた数え方なのです。ですから年配のかたは「数えで〇〇才です。」というようにおっしゃる方もたくさんおられます。
満年齢と数え年の違い
満年齢では
現在、日本であかちゃんがうまれたら「0才」ですよね。
それから生後2ヶ月、3ヶ月と増えていってまる1年たったらはじめて「1才」になります。この世に生を受けて元気に生きているのに「0」というのも何か変な感じがしますよね。
数え年では
数え年で年齢を数えると、この世にあかちゃんが生まれでてきたときが「1才」なのです。
あかちゃんはお母さんのおなかの中で十月十日すごすと言われています。おなかの中でまる1年とはいわないまでも、かなりの時間をかけて成長します。
その世にでてくるまでの期間を0才の成長期間と見ているわけです。
この数え方というのは、お母さんのおなかの中に命を宿したときからすでに人間としてのいのちをみとめているという考え方なんですね。
いのちの尊厳を感じることのできる年の数え方だと思います。
お葬式のときに故人の年齢を享年・行年〇〇才と書く時にはこの数え年を使います。
見慣れていない方には「年齢が間違ってますよ!」と指摘されたこともありますが、それはこの数え年を使っているからなのです。
厄年なんかも数え年で考えるようですね。
お誕生日おめでとう
満年齢は誕生日がきたら(正確には誕生日の前日)1つ年をとります。
数え年で考えると本日1月1日にみんないっせいに年をとります。
皆さんおめでとうございます。
あけましておめでとうとともに、皆等しく年をひとつ重ねたわけです。
こどもは早くおおきくなりたい。
おとなはあんまり年をとりたくない。
いろんな想いがあると思いますが、みんなで一緒に年をとったこの日にふさわしい詩人・坂村真民さんの詩を紹介したいと思います。
年をとることは いいことだ
とってみなければ わからない 世界が開けていく
とくに 今年は 何だかすべてが 新鮮だ ー坂村真民
老いは嫌だ。
年はとりたくないもんだ。
年とったらおもしろない。
みな口々に言いますが、嫌だ嫌だといって避けられるものではありません。
年をとってみなければわからない人生の喜びがあり、年をとったら開けていく世界があるなんて素敵な受け止め方ですね。
(今年の年賀状はこの詩をいれてデザインしてみました。)
20才には20才の、50才には50才の人生の喜びがある。
この詩のように人生に喜びをもって、年齢を重ねていきたいものです。
何才であっても今年また新たな学びや発見があったと喜べる、そんな1年にしていきたいですね。
2016年という年を大切に、有意義に、できるだけ楽しく平和にすごせるように、この詩を紹介して新年のごあいさつとかえさせて頂きます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。