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浄土真宗の住職が教える仏壇の処分方法|手順・費用・魂抜きの注意点を解説

こんにちは、善照寺住職の三原貴嗣です。

檀家さんからお仏壇の処分方法についてのご相談を受けることがときどきあります。

お仏壇を処分するケース
  • 仏壇を新しく買い替える
  • 実家のお仏壇はサイズが大きいため、転居先の新しい家には入らない
  • 家を手放す
  • 家を継ぐ人がいない

など

この記事では浄土真宗のお仏壇を処分する時に、どのような手順と流れで行えばよいかを解説しています。

仏壇を処分する方法と手順

仏壇を処分するときの手順は以下の通りです。

仏壇を処分する手順
  1. 遷座法要(せんざほうよう)を勤める。
  2. 仏壇にしまっている書類や入っている物を整理。
  3. 仏壇本体を処分。

では順を追って解説していきます。

1.遷座法要(せんざほうよう)をつとめる

今まで使っていたお仏壇を処分する際にはまずおつとめをいたします。

このお仏壇の処分する前のおつとめを一般的には「お性根抜き」とか「魂抜き」と言う方が多いでしょうか。

浄土真宗以外の宗派では閉眼法要(へいがんほうよう)なども言いますね。

浄土真宗では遷座法要せんざほうようもしくは遷仏法要せんぶつほうようという法要をつとめます。

聞き慣れない言葉だと思いますが、遷座せんざというのは阿弥陀さまの場所を動かすという意味ですね。

お仏壇の魂を抜くことの意味

一般的な言い方として、お性根抜きとか、お仏壇の魂を抜くという言い方がなされることがありますが、

正直なところ浄土真宗のお坊さんには仏様の目を開かせたり閉じさせたり、魂を入れたり出したりするような力はありません

お仏壇を処分する前のお勤めは「ここまで自分の先祖を通して仏の教えに出会う場所として使わせていただいたことに感謝し手を合わせましょう」という意味ですね。

お仏壇に手をあわせるというのは、「想像もつかないいのちのリレーの中で自分のいのちは生まれてきたことを再確認させて頂く」ということです。

お仏壇を処分する前に、脈々と引き継がれてきた命の背景に思いを向けたいことです。

この遷座法要をつとめることで一区切りをつけてから、お仏壇の物理的な処理に入ります。

2.仏壇にしまってある書類や中の物を整理

お仏壇を処分するときには中をしっかり確認しておきましょう。

長年使われてきたお仏壇の中には大事な書類がしまわれていることもあります。

戸籍や土地の権利書、通帳や印鑑などの重要書類が入っていることがありますのでしっかりと引き出しや扉の中を確認しましょう。

仏壇によってはぱっと見わかりにくい隠し扉があって、その後ろが収納になっているようなものもあります。

仏壇処分の前に確認する引き出し等
引き出しの中もしっかりチェックしておきましょう。

お仏壇の中にはご先祖の情報や昔取得した戸籍などが入っていることもよくあります。

先祖を調べる重要な手がかりになることもあるのでよく確認しておきましょう。

先祖の調べ方

3.仏壇を処分する方法を選ぶ

お仏壇の処分方法は大きくわけて4つ

仏壇の処分方法
  1. お寺に預ける
  2. 粗大ゴミとしてだす
  3. 仏壇屋さんに引き取ってもらう
  4. 家の解体と一緒にひきとってもらう

1.お寺に預ける

所属している菩提寺が引き受けてくれるか問い合わせてみましょう。

お焚きあげ(お寺で焼却)できる地域のお寺だったら引き受けてくれるかもしれません。

しかし、今は環境への配慮からお寺でお焚きあげできないところが多くなっています

善照寺でも仏壇本体の引き受けはしておらず、ご本尊(絵像)だけならお預かりすることができます。

お寺で引受してくれるかどうかは、所属している菩提寺の住職に相談してみてください。

仏壇に飾ってあるご本尊の写真

香川県内の方でお困りでしたら、遷座法要なども含めてひとまずご相談を受けることも可能です。

お問い合わせページからご連絡だくさい。

2.粗大ゴミとしてだす

仏壇をゴミとして分類するとするならば、「粗大ゴミ」という事になります。

自治体によってはゴミとしてだせない場合もありますので、お住まいの自治体のルールを確認ください。

仏壇は木と金具でできているので、自分で分解すれば不燃ゴミと燃えるゴミとしてだすことができます。

花瓶やろうそくを立てる燭台などの道具は素材別に分け、お住まいの自治体の区分にしたがって捨ててください

・・・とはいえ、今まで手を合わせてきた神聖なお仏壇を自分で破壊したり、ゴミとして出すとのは罪悪感を感じ、心理的に抵抗がある方も多いのではないでしょうか。

3.仏壇屋さんに引き取ってもらう

一番のオススメの方法は仏壇屋さんに引き取ってもらう方法です。

お店によって費用は違いますが大体10,000円程度からで、サイズや運び出す家の立地状況に応じて金額が変わるという感じです。

費用はかかりますが、自分では運べないような大きな仏壇の場合も搬出もスムーズですし、道具を分類する手間もなくすべてもって帰ってくれます。

処分の時にも丁寧に扱っていただけるので心理的にも安心できます。

その際、新しい仏壇に買いかえる場合は無料で引き取ってくれることもありますので仏壇屋さんに相談してみてください。

仏壇屋さんに頼むと宗派問わずすべて引き取ってくれますので、一番トラブルなくスムーズに済む方法です。

4.家の解体と一緒に
ひきとってもらう

古い家を更地にする時に仏壇を処分するなら、家の解体と一緒に解体業者にひきとってもらう方法もあります。

その際にやはりご本尊だけは遷座法要のあとできちんと外しておいて、菩提寺に相談されるのが丁寧だと思います。

仏壇の処分に関するよくある質問

仏壇の中にある位牌はどうすればいいですか?

新しい仏壇をご用意される場合は、位牌はそのままお持ちください。
お仏壇を処分したあと、位牌だけが残る場合は菩提寺で預かってもらえるかなど相談してみるとよいでしょう。

仏壇を処分する時、遷仏法要のお布施はいくらつつめばよいでしょうか?

菩提寺の住職に相談してみてください。
私どものお寺ではお布施はいくらでもかまいません。
すべての法要において、お布施は包んでいただいた分だけで結構です。

仏壇を処分するのに最適な時期はありますか?

いつでも大丈夫です。
六曜を気にするかたもおられますが、まったく関係ありません。

仏壇を処分すると家に悪いことが起こりますか?

起こりません。
浄土真宗のご本尊である阿弥陀仏は私達を必ず救うという願いを持たれた仏様です。
バチがあたるはずがありません。

仏壇を処分する手順と方法まとめ

仏壇の処分方法をまとめるとこの3ステップが一番スムーズでおすすめの方法です。

仏壇処分の流れ
  1. 菩提寺に連絡をしてお勤めをする
  2. お仏壇の中味を整理
  3. 仏壇屋さんに引き取ってもらう

家族が大事に手を合わせてきたお仏壇ですから、粗末な扱いにはならないように注意したいものです。