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【浄土真宗】お経の意味って何なの?!呪文やおまじないとはまったく違うよ!

お経の本を開くとこう思うでしょう。

むっちゃ漢字ばっかりやん!

こんなん読んでも全然意味分からんわ〜!

読み上げても、ひとつも意味がわからないのがお経です。

もしかしたら意味不明な呪文を唱えていると思っているかもしれませんね。

本記事ではおおざっぱではありますが、「お経ってこんなもの」ということを知って頂ければと思います。

そもそもお経って何なの?

そもそもお経というのはお釈迦さまが悟りについてお話なさった言葉の「語録」です。

お釈迦様は、「人間がなぜ生まれ、年をとり、病気になって、死ぬのか?」という問いに対し人生をかけた人であり、それを超越した人です。

修行と瞑想の末、人類ではじめて悟りを開かれました。

そして、悟りを開いたあとの残りの人生は人の生きるべき道を説いて各地をまわられ、その教えは8万4000の法門と言われます。

要はものすごくたくさんの教えがあるということですね。

しかしたくさんの教えと言っても、お釈迦様ご本人は文字として残すということはしませんでした。

ですので、お釈迦様が亡くなったあと、話を聞き学んでいた弟子達が集まって

弟子1

俺はこう聞いたよ!

弟子2

俺もこう聞いたぜ!

弟子3

よっしゃ、みんな言うとることあっとるな、確認確認。

口伝で正確な内容を伝えるのは限界があるから、これまとめて本にして残しておこうぜ〜!

というように、お釈迦様のお話なさったことを弟子達がテキスト化しまとめたものがお経です。

ですからお経は必ず「如是我聞(にょぜがもん)」もしくは「我聞如是(がもんにょぜ)」(訳:俺はこう聞いたよ)ではじまるのです。

漢字の意味がわかるところと分からないところがあるのはなぜ?

お釈迦さまはインドの方ですから、もともとお経は古代インドの言語であるサンスクリット語やパーリ語で書かれていました。

それが中国に渡って漢字に翻訳されたわけですね。

翻訳する時に言葉の「意味」をとって漢字に訳したものと、ことばの「音」をとって漢字に直した言葉がまざりあって漢訳されました。

意味をとった部分は漢字の意味から内容を推測できる部分もありますが、言葉の「音」から翻訳した言葉は漢字の意味が通じないので読んでも意味がわかりません。

ちょうど「アメリカ」を「亜米利加」と書くような感じです。

この「亜米利加」も漢字1個ずつの意味をとったら全然何のことか分かりませんね。

ですから、お経はただ読んでいくだけではなかなか意味がとれるものではないのです。

お経の内容はさまざま。

どのお経にも大切なことが書かれているのですが、その内容は真逆のようなものもあります。

お釈迦様のお話は対機説法(たいきせっぽう)と言われ、話す相手の状態にあわせて解決の道筋をお話をされたそうです。

まぁこれは「たとえ」の話ですが、風邪を引いて寒そうにしている人には

お釈迦さま

温めた方がいいですよ。

それに対して熱中症の人には

お釈迦さま

体を冷やした方がいいですよ。

と言ったことでしょう、たぶん。

どちらの困っている人にも解決の道を示しているにも関わらず、「温めた方がいい説」と「冷やした方がいい説」というように言葉は逆のことを言っていることがあります。

そして、その言葉をそれぞれ本にまとめると、人を救うという目的は同じだけど内容としては真逆の本ができあがりますよね。

そんな感じで、教えを伝えるべき相手の悩みに応じたいろいろなお経があるのです。

宗派によって使うお経は違うよ。

ひとくちに仏教といっても〇〇派、△△派といろんな宗派があります。

しかし宗派は違うと言っても同じ仏教徒でありますので、その目的をとても大雑把にまとめると「人間が苦しむ原因に気づき、その苦しみから離れ、さとりの世界に到達し仏となること」といえるでしょう。

スタート地点が現在の私で、さとりの世界がゴールですね。

そうすると、人によってどんなルートを通っていくのか?そしてその道のりを進む手段はどうするのか?という事が問題になってきます。

先ほどの「たとえ」で言うと、「温めほうがいいよ」というお経を1番大事にするならその教えを聞いてやるべき行動は「温める」になりますよね。

どのお経を大切にするかが違うと、やはりとるべき行動が違ってきます。

その大事にする道の歩み方の違いや、方法論の違いが宗派の違いであり、それはお釈迦様のおっしゃったことの中でどの教えを大事にするかの違いとも言えるでしょう。

ですから宗派によって読むお経は違うのです。

この各宗派が教えの根拠とする経典のことを所依の経典(しょえのきょうてん)といいます。

浄土真宗は浄土三部経という3つのお経を大事にしている

浄土真宗の宗祖親鸞聖人は、

親鸞

「浄土三部経」を所依の経典にするで。[

/voice]

とおっしゃいました。

唯円
  • 仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)   曹魏康僧鎧訳 上下2巻 (略称:大経)
  • 仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)劉宋畺良耶舎訳 1巻 (略称:観経)
  • 仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)      姚秦鳩摩羅什訳  1巻 (略称:小経)

この3つのお経を大事にするって事ですね!

これが浄土三部経です。三部経ですが4本セットです。

「三部経を読む」という言い方を耳にすることがあるかと思いますが、三部経とはこの「浄土三部経」のことです。

浄土真宗においては「お経」と呼ばれるものはこの浄土三部経だけを指します。

昔のお経は巻物だったので上巻・下巻という言い方になるんですね。

お寺にはこのように本堂の正面に巻経(まきぎょう)の浄土三部経が飾られており、これが根本となる大切なお経であることが示されています。

古すぎて開いたら崩れるので中は開けたことがありませんが、ちゃんと経典になっている・・・はず。

今僧侶が使う本はこのように折り本になっています。

お経まとめ

さていかがでしょう。

お経ってどんなものか、思っていたこととイメージが違っていたという方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず。

日本では葬儀や法事の時にお経を読むということが定着してしまっているので、死者のためにお経を読むというイメージが強く根付いていますが、本来的にはどのように人生を歩むべきか?という生き方が説かれた書物なのです。

それが2500年もの時を超えて、インドから中国、中国から日本へと渡ってきて現代まで繋がってきたわけです。

それだけの年月と歴史に耐えてきた、人類のためのテキストだと思うとちょっとロマンを感じませんか?


おおざっぱな説明ではありますが、暗くて難解なお経のイメージが少しでも良くなったら幸いです。

ちょっと興味でてきたぞ、現代語訳を読んでみようかなと思った方は・・・

浄土三部経の中の、仏説観無量寿経・仏説阿弥陀経の現代語訳の最初の1冊ならこの本がいいと思います。

とても読みやすい現代語訳ですし、表現が美しいので初心者にもオススメできる本です。

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