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【数珠の持ち方や意味】普段は左手に持ち、手を合わせる時は両手にかけます【真宗興正派】

葬儀や法事でお参りする時に手に持つ道具が数珠です。

葬儀などで参列している姿を見ると、お数珠の使い方がけっこうバラバラなんですよね。

本記事では真宗興正派のお数珠の持ち方や意味を解説しますよ!

浄土真宗の数珠の形

108玉の2重の輪になるものを双輪数珠(ふたわじゅず)や本連数珠(ほんれんじゅず)と呼びます。

2重になったお数珠がいちばん本式の数珠ということですね。

下に垂れ下がっている部分は片方が珠、片方が絹の組紐という形です。

それに対して1重の輪のものを単輪数珠(ひとわじゅず)、単連数珠(たんれんじゅず)と呼びます。

単輪数珠の玉の数は15〜45玉くらいで作られています。

一昔前は108の約数(18や27、36など)が多かったみたいですが、最近は特に意識されていないようです。

珠の数や材質、房の形などに特に規定はありませんが、伝統的に男性は組紐の単輪数珠、女性は梵天のついてない房の数珠を使うことが多いようです。

▼組紐(くみひも)の数珠

組紐の数珠

▼房(ふさ)の数珠

房の数珠

数珠の材質

数珠の材質はたくさん種類がありますが主には下の5つが多いです。

数珠の材質
  • 木の実
  • 琥珀
  • 珊瑚

材質によって何か効果が変わるとか、ありがたみが変わるなどということは一切ありません。

自分の好きなデザインのものを使うといいですよ。

この数珠を大事に使おう!と思えたものが一番いいです。

クルミを横割りした数珠はデザインが変わっていておもしろいですね。

くるみの数珠
くるみの数珠

これはお世話になってるお寺さんから頂いたもので、お寺の部材として使われていた木材を材料にして作られた数珠です。

けやきの数珠
けやきの数珠

こういうものはストーリーがあっていいですよね。

数珠を選ぶポイント

石の数珠はきれいだけど紐が切れやすく、冬に手に持つと冷たいのでぼくは木の材質の数珠のほうが好きです。

木や木の実が材料のものは手触りがあたたかく、長年使っていくうちに色味が変化して味がでるので大事に使う甲斐があるところがいいですね。

木の「共仕立て」が紐も切れにくくて、手から滑り落ちにくいので個人的には好きです。

(ともじたて・クルミの数珠の写真がわかりやすいですが、赤い石が入っている部分、大きいところを親玉・小さいところを弟子玉といいます。その部分も主に使われている素材を同じ素材で仕立てることです。けやきの数珠は親玉が共仕立てです。)

数珠の持ち方や扱い方

合掌していない時は左手に持ち、房が下に垂れるようにします。

合掌の時は必ず両手にかけ、組紐・房が下に垂れるようにし、親指で軽く押さえます。

数珠の持ち方
両手を入れて合掌しましょう

他宗派では「念仏の数を数えるため」「擦りならして煩悩を滅するため」などいろいろと数珠の使い方がありますが、真宗興正派「ただ両手にかけて礼拝する。」のが正式な使い方です。

じゃらじゃらと擦りあわせたり、つまぐる(念仏の数を数えて玉を指で動かす)ような事はしません。

お寺に参拝する時は数珠を忘れないようにしましょう。

蓮如上人は「念珠をせずに合掌することは仏を鷲掴みにするようなもの」と戒めておられます。

数珠は法具でありますので大切に扱い畳や廊下などに直接置いてはいけないとされています。

バチが当たるとかそういうことではなくて、大事で神聖な道具なので丁寧に扱いましょうということですね。

レンタルの数珠でもいいの?

葬儀会館で入り口に数珠を忘れた人用のレンタル数珠を置いていますね。

また、ご自身のものとレンタルと、別に数珠としての違いは何もありません。

しかし、仏前に参り尊敬の心・感謝の心こういうものを合掌・礼拝という態度で示そうとするときに、簡易のレンタルのものを使って参るよりは、ご自身の大事にしている数珠を持って参ろうかという心持ちが真摯に仏さまにむきあうことにつながるのではと思うのです。

まあでも人間ですから、そう思ってても持って行くのを忘れてしまうことはありますけどね。

数珠はいつから使われていたの?

数珠は仏教のはじまる時代(紀元前6世紀ごろ)以前に、インドではすでに存在していた形跡があるそうです。

もともとはバラモン教で使われていたもので、仏教教団特有の道具とか必須の法具というわけではなかったようですね。

ですから、インドから後にタイ、ベトナムなどの南方に伝わった仏教教団では僧侶も在家(一般の方)も基本的には数珠は使いません。

しかし中国、朝鮮、日本へと伝来した北方仏教では数珠を用いる作法に重きを置いたため、現在の日本の仏教教団では各宗派とも数珠を用いています。

使用方法やその意味については各派様々な違いがあります。

ちなみにインドで使われていた数珠の原型が西洋に伝わり、キリスト教のロザリオとなったという説もあるようですね。

全く違う土地で歴史を重ねたものがさかのぼれば同じ起源を持つとはなかなか興味深いものです。

数珠の形から学ぶ事

数珠の珠は中に紐が通っていなければバラバラになってしまいます。

中心の紐のおかげで綺麗に輪の形に整列しているんですよね。

その珠の1つを「自分自身」と見立ててみましょう。

例えば隣り合う珠は直接出会う人。

その隣は、少し関わりのある人。

反対側にある珠は会った事もないけれども縁のある人、などと言えるでしょう。

そういう人々と自分がともに1つのご縁の糸で繋がっていると見ることができるのではないでしょうか?

数珠の形から、“自らも生かされて生きている”ということを学ぶことができるわけですね。

ご縁の糸を切る事は簡単ですが、切れた縁をもう一度綺麗につなぎ直すことは大変難しいことです。

数珠も人の縁も大切にしたいものですね。

合掌

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