先日募集をした日曜寺小屋in善照寺。
募集の記事にも書いたとおり、こどもたちが気持ちや考えをことばになおし、コミュニケーション能力をアップさせていくプログラム。
今回小学校1年生〜5年生までの11名のこどもたちが参加してくれました。
前半は全員で、後半は内容がぐっと難しくなるので上級生の5年生の子だけで取り組みました。
はじめて開催しましたが、こちらの期待以上に良いスタートだったと思います。
どんなイベントだったかレポートしていきますよ!
タップできるもくじ
まずはこどもたちと一緒におつとめ
まずはこどもたちと一緒に重誓偈という短いお勤めをあげてからプログラム開始。
そしてこどもたちに今日のプログラムに参加するにあたってのお話を少し。
▼なんて感じのことを話してるところ。
keiko先生にバトンタッチ
まずは名前を呼び合ったりしながら大きな声を出す練習から。
みんなと一緒に大きな声をだすってのは、恥ずかしい気持ちの壁を取り払うのに効果的ですね。
そしてその中でも「今日はチャレンジする日!!」というのが重要な合い言葉。
▼これが後々こどもたちに効いてくるのです。
▼大きな声で名前を呼ぶとこから、だんだん動きも追加していきます。
名前を呼ぶのと同時にポーズをつけたり、テンポ良く順番に真似しながら体と声を使って表現していきます。
▼こういうの恥ずかしい・・・ってなるときに「今日はチャレンジの日だよね!」って気持ちを奮い立たせて恥ずかしいの壁をちょっとずつ乗り越えていきます。
そしていろんなゲームを通して、コミュニケーションに必要な能力を育てていきます。
かいつまんでご紹介。
あ、落としましたよ(落とし物ゲーム)
想像力を鍛える落とし物ゲーム。
なんというか、ノリツッコミとパントマイムをまぜたようなゲームです。
前の人に「あ、〇〇落としましたよ」って声をかけると、呼ばれた側が「ありがとう♪」といって落とし物に対して反応するというゲーム。
例えば、「バット落としましたよ」って声をかけられたら、かけられた側はそれを受け取って素振りをする。みたいな感じです。
▼〇〇落としましたよ、ってとんでもないものを渡す想像力と、それを受けておもしろい事を返す即興力と反応力が鍛えられるゲーム。
▼大人どうしで「少年の心」落としましたよ。とか「夏の思い出」落としましたよ。とか難易度の高い知的なやり取りをするのもおもしろそうなゲームです。
好きな物を10個探そうゲーム
2人組になって相手に質問します。
インタビュー形式で〇〇は好きですか?に対して、「はい・いいえ」で答え好きを10個集めるゲーム。
▼相手の服を見てこの色が好きなんじゃないかな?とかいろいろ考えて質問します。
そして段階を踏んで、ただの好き・嫌いからその理由を探っていきます。
▼そしてなぜ好きなのか・嫌いなのかと階層を深くしていき、こどもたち自身が「なぜ?」というところを積極的に考える時間を作っていきます。
自分の感情や嗜好を、「なんとなく」から「こうだから好きor嫌い」と理由を考え言語化し、ある程度明確にしていく作業をすることで、物事に対して多角的に見る視点が育てられていきます。
最後はスピーチにまとめて発表。
最後は今日のゲームを通して学んだことの総まとめ。
自分の好きな食べ物について理由をまとめて、それを30秒でスピーチ。
人前でスピーチをするってのは難しいことですよね。みんなに見られてると思ったら一言も声がでないこともあるでしょう。
たぶん今日お寺に来て、最初がこのスピーチの時間だったら出来る子は少ないと思います。
しかしプログラムの中でいろんなゲームを通して考えを表現したり、恥ずかしい気持ちの壁を乗り越える経験をしたおかげか、順番が回ってきても無言になるような子は誰もいませんでした。
最初の15秒でしゃべり終えちゃって、残りは無言になってしまう子は多かったですが、それは大人でも30秒キレイに使い切って話すというのは難しい事。
▼これから何度か訓練していけばすごいことになりそうです。
小学校4年生まではここまでのコース。
ここからは上級生と大人で難易度の高いことをやります。
後半の上級生コース
今回5年生のこどもが2人ということで、ぼくとアシスタントの先生も含めて大人3人も参加し、5人で後半のプログラムへ突入。
後半は論理的な思考を育てるプログラム。
いろんな物事の因果関係をとらえて、論理の飛躍や破綻がないかを考えたり、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な事例を作ったりして、物事の因果関係ということを意識して考える訓練。
▼〇〇だから△△になった、みたいなことをいろんな例題を通して考えます。
ニュースの良い面悪い面を考える
ニュースで報道されている記事から1つ選んで、どんなニュースか説明して、その良い面悪い面を周りの人に説明するというゲーム。
こういう点では良いニュースだけど、こういう状況だったら悪いニュース。
こういう人には良いニュースだけど、こういう人には悪いニュース。
というように、1つの報道を見てそのニュースを両面から(またその切り取り方)を考えるというゲーム。
このゲームに一緒に参加してやってみましたけど、ぼくも結構苦労しました。
大人でもテレビが報道するまま鵜呑みにして、自分がどういう視点でみているか把握できていないことたくさんありますよね。
物事の両面からみてデータをそろえ落としどころをつけるという非常に分析的な物の見方が育てられるトレーニングです。
5年生の子は前半でも相当頭を使い、後半になってさらにややこしいことをしてかなり疲れたのではないでしょうないでしょうか。
参加者の感想(こども編)
1.日曜寺子屋に参加したのはなぜですか?
- おうちの人に言われたから。(4名)
- 楽しかったから。(1名。姉が参加しているのを、以前に見学したことがある子。)
- ぼくが来たかったから。(1名。初参加)
- できないこともできるようになれるから。(1名。3回目)
- 未記入(4名)
2.今日参加して良かったと思いますか?(5段階で思うレベルに○)
〇思うレベル5 (7名)
- 楽しいし、勉強になった。
- できるようになれたから。
- 二人でペアになって質問ゲーム(が楽しかったから?)
- 緊張をしなくなったこと。
- 頭をつかったから。
〇思うレベル4 (1名)理由なし。
〇思うレベル3 (2名)
- 発表の言うところ。
- おもしろかった。
〇思うレベル回答なし (1名)
- 今日やってみて楽しかったからです。
3. 今日わたしができるようになったことは?
- はずかしずに(恥ずかしがらずに)声を出せた。
- みんなに話せること。
- スピーチ
- みんなの前で発表出来るようになったこと。
- チャレンジすること。
- 考えることと集中力。
- 思ったことを言えるようになった。
- いろんなこと。自分の言葉で言えた。
- 質問をしたこと。上手に発表が出来るようになったこと。
- 自分で考えでやっていることを顔にはいりました。(自分で考えてやっていることが頭に入った?かな)
- はずかしいところをがんばりました。
4.今日わたしが気がついたことは?
- はずかしがらなくていいんだと思った。
- 緊張しても、思いきったら言える。
- 自身を持てばできる。(自信を?)
- できないことでもチャレンジすればいいのが分かった。
- できないと思っていたけど、やったらできたこと。
- 恥ずかしかったこと。
- 緊張しても言えること。
- たまには頭を使うこと。
5.今日わたしにとってむずかしかったことは?
- 発表すること。(4名)
- みんなに何が好きか言うこと。
- 質問ゲーム。
- チャレンジしてしゃべったりすること。
- ニュースを考えること。
- 知らない人ばっかりで、なかなかいけなかった。
- ポーズ。(名前回し時の)
- スピーチです。はずかしかったからです。
6.今日の日曜寺子屋で、うれしかったことや楽しかったことを書いてください。
- 名前を呼びながらポーズをつけたこと。
- 難しかったスピーチでも、やってみて楽しかったです。
- 質問をされたんが楽しかったです。
- いろんなことができて、嬉しかった。
- 好きな食べ物のスピーチ。(2名)
- 自己紹介が明るくできた。
- 因果関係の問題が楽しかった。(後半参加者)
- みんなの前で発表できるようになったことが嬉しかった。
- ともだちと会えたこと。
- 質問ゲームが楽しかった。
参加者の感想(保護者編)
~アンケート内容~
- 日曜寺子屋にお子さまを参加させようと思った理由、また見学しようと思った理由
- 日曜寺子屋を見学しての印象は?(五段階評価)
- 日曜寺子屋、ディベート、教育全般に求めることや希望すること
- 気付いた点や、運営に関する質問など
小1生保護者様
- 自分が子どもの時に人前で自信を持ってはっきり意見や気持ちを言うことが出来なかったので、こどもにはしっかり意見を言える子になってほしいと思っているから。
- 評価5 とても良い
見学していても、たくさん学ぶことがありました。楽しかったです。 - 定期的に開催してほしいです。
小1生保護者様
- 寺子屋の自分で考える、発言するという目標が、自分の子どもにも私自身にも苦手なこと、なかなか普段出来ていなかったことだと思ったので。
- 評価5 とても良い
声を出すこと、特に何人かの人前で話すこと、知らないお友達と話すこと、どれも良い経験の場で、子どもも普段と違う面が見られたように思います。 - 今回のように自分の意見を発表出来る子、また自分の思っていることや感情に気づいて、言葉として表現できるようになってもらえたらと思います。
- また是非参加したい(させたい?)です。
小2生保護者様
- 考えていても、恥ずかしかったり等で、自分の口でハッキリ相手に伝えることがなかなか出来ない息子に少しでも自信を持ってもらいたいと思い、参加させました。
- 評価5 とても良い
単純に涙が出そうになりました。自分の言葉で相手に伝える大切さや勇気を学べる良い場でした。あ~、●●(息子さんの名前)がちゃんとそれなりにコミュニケーションとれてる♪、と私も新たな一面を見た気がしました。
小1、小5生(姉弟)保護者様
- 社会の中で生きていくために、とても必要なことで、是非子どもに体験してチャレンジしてほしいと思ったからです。
- 評価5 とても良い
大人も一生懸命、子どもたちも一生懸命考えて一歩踏み出している姿がとてもよかったです。スピーチ、皆よくがんばりました。 - 準備や企画、ありがとうございました。大変だと思いますが、また次回、楽しみにまっております!握手したり、肩を組んだりなどのスキンシップもあれば、もっと親近感わくかな♪(っていうのかな)
まとめ
ここまで書いても、現場のこどもたちの頭を悩ませながら一生懸命言葉を生み出そうとしている感じがなかなか伝わらないかもしれません。
写真もこどもたちの表情をアップできないのが残念なのですが、真剣に向き合ってとりくんでいます。
横で見学して頂いていた保護者の方のアンケート結果をみて頂いたらわかるように、こども達が気持ちや思ったことを言葉になおして、1歩踏み出す瞬間にはとても成長を感じます。
これは来て参加してもらわないとわからない感動ですね。
講師のkeiko先生のブログにも先生からみたこの教室の様子が書かれていますのでこちらもぜひどうぞ!
次回の開催は9月頃を予定しております。
また予定が決まりましたら告知致しますので、初めての方もどうぞチャレンジしてみてください。
(要約版)仏教は「気づきの宗教」と言われます。
仏さまに何かお願いするのではなく、お寺に参ったり勉強することで「自分がどういう人間なのかに気づく」ということが大事です。
恥ずかしいと思ったり、難しいと思ったりすることも1つの気づきです。
自分には出来ないと思ってたけどがんばったら今日は出来た!!みたいな、新しい1歩を踏み出せた自分に気づくかもしれません。
そんな経験を今日のプログラムでいっぱいしてくださいね。