新しくお仏壇をむかえられる方に「お仏壇を置く方角って何か決まりがありますか?」という質問をよくいただきます。
お仏壇の配置する場所や方角には何か決まりがあるのか気になるようですね。
本記事では新しくお仏壇を迎えられたり、引っ越した時に気になるお仏壇を配置する場所、向きや方角、設置場所はどうすればよいのかについて解説します。
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お仏壇を置く方角や配置場所に決まりはあるの?
結論から言うと、仏壇を配置する方角はどこ向きでもよいということになります。
じゃあ家のどこでも好きなように置いていいのか?
というと、そういうわけでもないのでこの後の解説を読んでくださいね。
浄土真宗ではご本尊西向きに拝む(仏壇が東向き)ことが多い
浄土真宗ではお寺を建てる時、またお仏壇を安置する時には西に向かって手を合わせるように配置することが多いです。
東西の本願寺もそうですし、うちのお寺の本山・興正寺も本堂は西に向かって手を合わせる構造です。
航空写真を見て頂くとわかりますが、東側の門から入って西向きに本堂にあがり西に向かってお参りするスタイルです。
これはお経の中に阿弥陀仏の極楽浄土は西方にあるという記述があって、それにならっているからなのです。
而時仏告 長老舎利弗 従是西方 過十万億仏土 有世界 名曰極楽 其土有仏 号阿弥陀 今現在説法・・・(仏説阿弥陀経より)
仏さまの世界は西方にあると言うことで、西に向かって手を合わせるようになったんですね。
西に向かってお参りする、つまり仏壇は東向きに配置することが多いというわけです。
必ずしも仏壇を東向きに配置する必要はない
お仏壇はお寺の縮小版ですから、できることならお寺の様式にならって西に向いて拝める形がとれれば理想的です。
しかし家の間取りを考えると難しい事も多いですよね。
例えば、西側に窓のあるワンルームの家で西向きに拝むように仏壇を置くと、窓を封鎖してしまいます。
それでは生活に支障がでますよね。
ですので、部屋のレイアウトにあわせて置ける場所に安置していただいたら結構です。
実際にうちのお寺の本堂は南向きに作られていて、手を合わせる方角は北向きになっています。
仏さまの教えはいつでも・どこでも・誰にでも開かれている教えです。
西に向かってお念仏した人以外はアウト〜!!みたいなことはないんですよね。
方角によって何かが左右されるということはありません。
土地の形や環境によって再現できないことも多いので仏壇を置く方角は気になさらなくて結構です。
そもそも仏壇とは何か?をおさえておこう
方角はどの向きでもいいんですが、仏壇とはどういうものか?は理解しておいてほしいところ。
そもそもお仏壇は必要?という記事にも書きましたが、お仏壇とは仏の世界である浄土世界のジオラマです。
仏の世界の表現ですから尊いものであるという認識は持っておくべきで、粗末な扱いにはならないようにしましょう。
お仏壇を迎え手を合わせるというのは仏さまを讃え、その世界に頷かせて頂くということ。
ご先祖や亡くなった家族の姿を通して、仏の教えに出会う場所です。
ですから、家の中でも中心にあるべき大事なものとして、一番格の高い場所に置かれてきました。
和風建築で一番格の高い場所は床の間です。
お仏壇が床の間の中、もしくはその横に安置されていることが多いのはこのような仏さまに敬意をあらわした形なのです。
仏壇の配置は住宅事情にあわせよう
近年は時代の変化が激しく、生活様式も住宅事情も一昔前の昭和の時代とは大きく変わりました。
新しく建てた家には和室のない家も多く、ましてや人が集まれるような大広間を作るなんてことはほとんどありません。
ですから昔のように大きな仏壇を用意するのは無理なことも多いです。
古くからのお仏壇が難しい場合は、家のサイズや部屋のサイズに合わせてモダン仏壇でもかまいませんよ。
大事なことは仏さまに手を合わせ、生き方を学ぶということです。
ですからお仏壇は方角はどの向きでもいいので、寝室でもリビングでも家族が集まり手を合わせられる場所に置いてください。
極端に湿度や温度が高いとか、直射日光があたりつづけるような場所は避けましょう(木製品ですのでカビたり塗装が傷んだりするという物理的な理由です。)
お仏壇だけを用意するだけではなくきちんとご本尊をお迎えしましょうね!
粗末な扱いにならないように気をつけましょう。
お仏壇の配置と方角、設置場所まとめ
まとめると、以下の通りです。
- 西に向かって拝めるとベストだが、無理はする必要はない。
- お仏壇は大切なもの。上座に配置するようにしよう。
- 小さくても構わない。ご本尊はちゃんと用意しよう。
- 湿気の多い場所や直射日光があたり続けないようにしよう。
住宅事情にあわせて、できるだけ丁寧にお迎えして手を合わせましょうね。
新しい仏壇を買い替える前に、以前の古い仏壇を処分する必要がある方はこちらの記事もどうぞ。
お仏壇のお飾りの仕方はこちらから。
(意訳)聞いてや舎利弗くん。
ここから西の方角のめちゃんこ遠いところに仏の世界があるんやで。
その場所の名前を「極楽」っていうんや。
そこには阿弥陀仏っていう仏さまがいて、今なお説法してはるんやで・・・