こどもたちが一生懸命考えて、自分の壁を乗り越える姿はこちらも涙がでそうになります。
今日はそんなドラマがありました。
本記事第2回目となる日曜寺小屋のレポートをお伝えします!
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みんなそろって重星偈をお勤め
第2回目の日曜寺小屋。
今回は19名のこどもたちが参加してくれ、はじめにみんな揃って重誓偈をおつとめしました。
▼はじめての子もたくさんいたけど、大きな声でお勤めが出来ましたね。
そして、住職の挨拶と少しお話。
小学校低学年の子にもわかるように話をするのはこちらも鍛えられます。
日曜寺小屋本編
1.名前まわし・自己紹介
輪になって順番に自己紹介。
リズムに合わせて自分の名前を大きな声で叫んだら次の人へ。
先生の誘導やこども達を楽しませるテクニックがすごくおもしろくて、週を重ねるごとに変化していくんです。
最初はボソボソと小さな声だった子も周りのテンションに引っ張られて、だんだん大きな声がでるようになっていくんですよね。
2.チョコレートウォーク
人のあとにはついていかない、同じ方向に歩かない。
▼という条件で本堂をウロウロ。
最初は周りの人の動きとバランスをとりながら歩くだけなんですが、段階的に条件を増やしていきます。
しばらく歩くとメンバーの中から「座る!」とか、「ジャンプ!」とか誰かが声を上げると全員がそれに従います。
誰が声を出しても構いません。
すると、みんなの様子を見ながら声をあげたり、同時になった時にどう処理するかなど、子どもたちがアクティビティを通して自然と間を見計らったりするようになっていきます。
続いて、歩きながら目のあった子でハイタッチ。
言葉だけじゃなく、目や態度で意思疎通を感じていきます。
3..ハイタッチした子どうしでジャンケンして質問ゲーム。
うろうろ歩く中でたまたま出会った子でペアになってジャンケンし、勝った方から相手に質問をします。
▼学校も学年も違うまったく知らない子同士でゲームを続けていきます。
その後、何周か体験してみてその感想を共有。
答えやすい質問もあれば、答えにくい質問もあるよね、なんて質問の仕方にも性質がある事をみんなで考え、例題を通して再挑戦
段階をすすめて、次は2つの質問をしていきます。
2個目の質問はひとつ質問したことに関連する質問をします。
これによって、理由や条件など1歩深く考えるクセがつくと言われます。
例えば、
問1.どんな食べ物が好きですか?→いちごが好きです。
ふ〜ん。
ってやり取りだと表面的な情報しかありませんが、さらに加えて
問2.いちごのどんなところが好きなんですか?→甘い香りと味が好きです。
なんてやりとりがあると、少しその人の感覚や嗜好など内面に寄っていきます。
さらに段階を進めると、相手の答えに対して自分の意見や考えを足してみます。
そうすると、相手と意見が違うことや自分が知らないことであっても、「わらかん!」「知らん!」みたいな即座に断絶する感じとは違って、一旦受け止めることでコミュニケーションが成り立っていく感覚を感じてもらいました。
4.1分間質問となりきり「他己」紹介
お互い知らない子どうしがペアになって、最後は1分間の質問タイムとなりきり「他己」紹介。
▼これまで体験を通して学んできた相手への質問の仕方や質問の意味を踏まえて、1分間でペアの相手の情報を聞き出します。
▼はじめてあった子どうしで、名前を聞いて相手の情報を集めます。
そして、最後はみんなで輪になって発表タイム。
自分のペアに質問して集めた情報で、そのペアの相手になりきって他己紹介をします。
▼ここまで声を出したり体を動かしたりして、大分緊張もほぐれてきてはいるんですが、やはりみんなが見ている前で1人発表するとなるとすごいプレッシャーです。
この最後の発表はみんな緊張しているのがすごく伝わってきて、こどもたちがそれぞれにがんばってる姿に非常に感動しました。
中でも1人の女の子のがんばりを見て、このプログラムを開催する意義があったなと強く感じたんです。
今日はすごく恥ずかしがり屋でこういう人前での発表はかなり苦手だという女の子が参加してくれていました。
この最後の他己紹介の時、1回目に順番が回って来た時には緊張とプレッシャーで泣き出してしまい、ひとことも発表できなかったのです。
しかし、全員順番に発表が終わったあとその子が立ち上がったのです。
緊張と苦しさで泣きながらではありましたが、本当に勇気を振り絞ってペアの男の子になりきって発表してくれたのです。
▼ものすごく胸がギュッとなって、苦しい気持ちでいっぱいなのが見ていてすごくよくわかるんですが、その壁をグッと乗り越えて頑張った姿に見てるこちらも涙がでそうになりました。
まとめ
この1回の出来事が即座に何かの結果になるのではないかもしれません。
しかし、自分の力で緊張感や苦しさを乗り越えたことがあるという経験の積み重ねが重要な力になっていくのだと思います。
おそらくこういう技術としてのコミュニケーションの具体的な方法を、こどもたちが体験を通して学べるプログラムはなかなか他にはないんじゃないかと。
見学していた保護者のアンケートも高評価が多かったのも嬉しかったです。
これからも定期的に他では体験できないクオリティの高いワークショップを開催して、こどもたちにも学びのある場所にしていきたいと思います。
仏教の大事な教えの中に「縁起」という考え方があります。
これはすべてのものは関わり合って成り立っている、ということです。
参加してくれてる子たちも、お父さんやお母さんとの間には親子という関係があります。
学校へ行ったら生徒と先生。
同級生同士だったら友達。
同じ1人の人間でも周りの人といろんな関わりの中で、関係性や役割を変えていきながら生活しています。
いろんな人と関わりながら生きていくなかで、相手はどう思ってるのかな?自分はどんな言い方をしたら伝わるのかな?ということをしっかり考えて、思っていることを言葉にしてコミュニケーションをとれるようになることはとても重要な能力です。
今日はみんなの前で話したり、恥ずかしいなぁなんて思うこともあるかもしれませんが、そこをグッと乗り越えてパワーアップして帰ってください。