善照寺でもはじめての試みとなる「仏教」と「パフォーマンス」のコラボレーションイベント「おつとめ」を開催いたしました。
お寺でパフォーマンス?何それ?と思いますよね。
作っているわれわれ自身もどのような形ができあがるかもわからないまま企画をスタートしましたが、終わってみるとなかなか学びの多いイベントになりましたよ!
本記事では仏教×パフォーマンス「おつとめ」午前の部をレポートします!
タップできるもくじ
「仏教×パフォーマンス おつとめ」とは
今回の企画のスタートは半年以上前。 凡人サーカスアーティスト山本健一氏がお寺に遊びに来たときに、
よし、やりましょう!(即決)
え!?本当にいいんですか?(困惑)
とりあえず日にちを決めて、やってからいろいろ考えましょう!
話が早い・・・っ!(困惑)
じゃあ、どうせお寺でやるならお寺の作法とか法要の形態などを踏まえたかたちにしませんか?
そうすればお寺で開催する意味もでてくるだろうし、ただのパフォーマンスとは違った形になっておもしろいんじゃないですか?
たしかに、それはおもしろそうですねぇ。
なんてところからスタートしました。
お寺の法要の形
通常の浄土真宗のお寺で行われる法要は次のような形で行われます。
- 僧侶が集まって読経
- 講師による法話
浄土真宗ではお聴聞が大事と言われ、勤行だけではなくその後の法話を聞くということが非常に大切にされます。
そこで今回は出演者の「話を聞く」ということに焦点をあてて開催しました。
「おつとめ」とは、仏教×パフォーマンスをテーマに、僧侶とパフォーマーが勤める創作法要です。
おつとめは読経と法話から成り立ち、子供たちも含めた皆でお経を読んだ後に、お坊さんからそのお経に関係した法話を聞いて思想への理解を深めます。
今回は「仏教×パフォーマンス」ということで、パフォーマンスをお経に見立て、パフォーマンスをした後に、パフォーマンスに関連したことをパフォーマー自身に自由に発表してもらいます。
パフォーマーがパフォーマンスに込めた思い、パフォーマーの思想、作品の作り方などそれぞれのパフォーマーの個性を彼らの「おつとめ」から感じ取ってください。(凡人サーカスアーティスト 山本健一)
「おつとめ」WEBサイトから引用http://otsutomeperformance.com/
「仏教×パフォーマンス おつとめ」午前の部
午前の部プログラム
- お勤め(重誓偈)
- 住職挨拶
- 大道芸人れもんショー
- 副住職法話
- 副住職とれもん対談
- プロデューサー挨拶
▼パフォーマンスのイベントなので駐車場案内係もジャグリング感。
▼初めてお寺に来られた方もいて、新たなご縁がつながると嬉しいですね。
1.お勤め
お寺の行事と同じように、まずは勤行(ごんぎょう)からスタート。
▼開式とともにみんなそろっての勤行です。
▼午前の部ではお参り頂いたみなさんにもお経本をお渡しして「重誓偈」を一緒に読みました。
▼そのページじゃないよ。
2.住職挨拶
勤行のあとに少しだけお話をさせて頂きました。
お寺でこんなジャグリングのイベントなんてやって良いの?とかいろいろな意見があるかと思いますが、そもそもお寺ってどういう場所なのか?ということを考えて欲しいのです。
多くの方はお寺やお坊さんは身近な方が誰か亡くなったら用事のある場所だと思っているのではないでしょうか。
なぜお坊さんが葬儀や法事などを勤めているかというと、葬儀ほど人生が有限であることを身をもって感じられるタイミングはないからなんです。
そのタイミングで遺された方にたいして「生き方」のお話をするわけですね。
本来仏教は「生き方」を説いており、お寺はその教えを伝え学ぶ場所です。
ですから、葬儀だけを機会すとるのではなく、いろいろな形でその教えに触れていただくことが重要なのです。
お寺は亡くなってから行くのではなく、生きているうちに足を運んで話を聞かないと意味がありません。
しかし、世の中には楽しいことがたくさんあるし仕事もあるし、やらなきゃいけないこともたくさんあります。
大事だと思っていいても、生き方の話なんてめんどくさくてなかなか聞きに行く気にもなりません。
そこで、もっとお寺にも楽しく来てもらいやすいように今回のような企画を開催致しました。
パフォーマンスを楽しむのはもちろんのこと、その後には法話や対談もございます。
ただ楽しいだけではなく、何か学びや気づきのある時間を過ごしていただければ嬉しいです。
というようなお話をさせていただきました。
3.大道芸人れもんショー
午前の部は子供連れのファミリー層のお客さんを想定しており、楽しくわかりやすい大道芸的なパフォーマンスをしていただだきました。
▼広島でプロの大道芸人として活躍しているれもんさんにパフォーマンスをお願いしました。
勤行と挨拶で荘厳な雰囲気になったお客さんを楽しませるというのはかなり難しいことだと思うのですが、さすが場数を踏んでいるプロ。
▼軽快なトークでお客さんを楽しませながらいろいろな技を繰り出していきます。
▼お客さんもだんだんと盛り上がっていきます。
▼れもんさんは丸亀お城祭りにも毎年出演しています。生で見たい方は丸亀お城祭りにも足を運んで楽しんでください。
▼大盛り上がりの中パフォーマンスは終了しました。
4.副住職法話
続いて副住職による法話です。
▼「おつとめ」はパフォーマンスだけ楽しんで終わりというわけではありません。
▼「因縁果」ということについてお話を致しました。
「因縁果って何?」と言う方は副住職が法話の内容をnoteにアップしているのでこちらからどうぞ。
副住職の法話
▼お話のあとはみんなで合掌礼拝。
〜休憩〜
5.副住職とっしゃん×れもん対談
実は大道芸人れもんさんは副住職の後輩にあたります。
▼れもんさんは大学生のころの副住職が大道芸をしているのを見て、そこから芸の道に入ることになりました。
もともとれもんさんは教員を志望しており、そのための高校や大学へ進学。
教員免許も取得したのですが、卒業までにはもともと思っていた道とは違う生き方を選択しました。
▼当時のことを振り返りながら、どのような歩みや考え方をしてきたなどを対談。
▼こどもたちにもいろんな生き方や道があることなどを伝えようとしていました。
れもんさんからもFacebookにこのようなコメントを頂いています。
今まで深いメッセージ性とかセンチメンタルな感じのものを自分でパフォーマンスすることは考えてなかったけど、今のパフォーマンスの雰囲気を保ちながら伝えられる想いもあるんじゃないかと思いました。
僕は大道芸をする前は学校の先生になりたいと思っていたので、そのために高校・大学と選び進学しました。中高の数学の教員免許も取得しています。
今でも教育機関にはより積極的に伺いたいと思っているし、教師の立場にないからこそ伝えられるものがあるはずだと感じてはいましたが、いまいちピンときていなく。
おつとめで自分の考えを改めて書き起こし、ショーと対談を通して伝えようとしたことが、今後の活動にも活きてくるのだろうと確信しています。
このおつとめが、新たな考えを持つ原因なり、実施したことでたくさんの結果も得て、未来の自分にとっても縁深いイベントになりました。
大道芸人れもん
6.企画・立案山本健一氏あいさつ
最後に今回の企画制作にあたっての思いを語って頂きました。
ジャグリングもまだまだメジャーな趣味とはいえませんし、それを人前で披露するというのはさらに勇気のいることです。
その一歩踏み出す勇気というのが今の時代には求められているのではないかと感じています。
そんな1歩踏み出す勇気や力がパフォーマンスやお話を通じてこどもたちに伝わればいいなと思って企画させていただきました。
こどもさんの参加が思ったより少なかったのが残念なところでしたが・・・。
今の世の中は「因果」だけでは考えられない状態ですよね。
大企業に入れば一生安泰なんて言えない時代ですし、大道芸みたいなことをやっていたら無学だみたいな、そういう前時代的なステレオタイプが通じない時代になってきました。
そういう時代において1歩踏み出す力というのは非常に大事だと思います。
仏教の教えやパフォーマンスから感じるものが、そこにアプローチするものになるのではないかと思い企画をさせていただきました。
今回のイベントがそのひとつにきっかけになれば嬉しく思います。
▼最後はみんなで合掌・礼拝してイベントを終了致しました。
「おつとめ」午前の部まとめ
非常に実験的な内容のイベントで次回開催には改善すべき課題もたくさん見つかりましたが、総じてお客さんの感想や反応も良くいいイベントになったのではないでしょうか。
ゲストにパフォーマンスをしてもらって終わりというだけではなく、楽しみながら学びや気づきのある新たな表現や伝道の形に一歩踏み出せました。
午前の部はこのように明るく楽しい印象で伝える形でしたが、午後の部はまったくテイストが変わったものになります。
また、イベント当日にはジャグリング関係の方に県外からもお手伝いに来て頂き、設営やお客さんの案内などご尽力いただいたおかげで開催することができました。
この場を借りてお礼を申し上げさせていただきます、ありがとうございました。
今回の写真がいいなと思った方は、写真撮影依頼はroute24 designへ!
お寺という空間で何か作品の制作や発表をしてみたいんですけど、どうでしょうか?(遠慮がち)