危篤とは病気の症状が悪化して意識がなくなり、いよいよ命を終える直前の状態です。
奇跡的に回復をする場合もなくはないですが、基本的にはいつ亡くなってもおかしくない状態です。
もしもの時のことも想定し、心構えをしておくことが最期のお別れの時間を有意義に過ごすためにも大切なことです。
人として生まれた以上、誰しもがいつかは人生を終える日がきます。
別れは大変つらいものですが家族が危篤になった時に心がけておくこと、またやるべきことを整理しまとめました。
タップできるもくじ
家族が危篤になった時やるべきこと
まず第一に大切な事はあなたが心を落ち着けることです。
いろいろな感情とやるべき事が頭をよぎり、苦しい思いをされるかもしれません。
まずは深呼吸をして、心を落ち着かせてから行動しましょう。
現代では病院で危篤の宣告を受けることが多くなっていますので、病院でおられることを想定して解説いたします。
ご自宅で危篤になった場合はまず119へ連絡です(記事後半で解説)。
1.親戚・友人・最後に会わせたい方に危篤の連絡をする
危篤時はいつ別れの時が来るかわかりません。
医師から危篤の宣告を受けた時はできるだけ早く親戚・友人・最後に会わせたい方に連絡をとりましょう。
1.親戚への連絡
危篤になった本人から3親等ぐらいの関係を目安に連絡をとりましょう。
仲の良さや関係性、居住地域(遠方にすんでいるなど)によって連絡するかどうか迷うこともあるかと思いますが、お知らせだけは確実にしておいた方が無難です。
「私には連絡が無かった!」という状態はあとあとトラブルになることがあります。
迷ったときは「お知らせ」だけはしておくと覚えておいてください。
2.友人・最後に会わせたい方への連絡
友人や知人、最後にどうしても会わせたい方は広く案内するのではなく特別に親しい方だけに連絡した方がよいでしょう。
連絡を受けた方は、何としても駆けつける必要があると感じます。
心理的な負担を与えてしまうこともあるので、危篤状態の本人が最後に会いたいと感じるであろう方を優先して連絡されるとよいでしょう。
緊急性が高いため電話連絡も仕方なし
危篤の連絡は緊急連絡のため、深夜・早朝であっても直接電話で連絡した方がよいでしょう。
深夜や早朝に連絡する場合はひとことお詫びの言葉をそえてお伝えください。
危篤連絡で伝えるべきこと
落ち着いているつもりでも気が動転して必要な情報を伝え忘れてしまうことがあります。
電話をかける時に、下の項目を参考にして情報に抜けがないようにしましょう。
あせって忘れてしまいそうな時はメモに要点をまとめて、確認しながらお伝え下さい。
- 自分の名前
- 危篤状態の方の名前
- 現在の状態
- 相手が見舞いに来てくれそうな場合は危篤者の所在地(病院か自宅か、住所や部屋番号など)
- こちらの連絡先
できるだけ直接お伝えするほうが良いですが、LINEやSNSを使ってお知らせする時は、いつ開封されるかわからないことも念頭においておきましょう。
LINEやSNSの場合は折り返し連絡をもらえるようにお伝えください。
くれぐれも誤送信にはお気をつけください。
自宅で危篤となった場合
自宅で突然倒れたり、療養の容体が急変したときは119番通報します。
救急車を呼ぶときには伝え方が重要です。
- まずは救急車の手配であること
- 場所の情報(自宅の住所・氏名・連絡先)
- それから病人の容体
「救急」であること、そして場所を先に知らせることで救急車が出動できます。
その後、容体や状態を伝えましょう。
病院に行くときは健康保険証・老人健康手帳・医療受給者証など、必要な保険証もお持ちください。
搬送先の病院へ家族がつきそい留守にする場合、戸締まり・火の元の確認なども忘れないように注意してください。
もしも自宅で亡くなってしまったことが明らかな場合
脳梗塞や心筋梗塞など自宅で倒れて危篤状態になり、救急が間に合わず残念ながらそのままお亡くなりになってしまうケースもあります。
その場合は医師による死亡確認が必要となります。
絶対に遺体を動かさないようにして医師・または警察の到着を待ちましょう。
2.現金の用意をしておく
危篤の宣告を受けた以上、最悪の事態を想定しておかなければなりません。
その時に必要になるものが現金です。
主に必要となるお金にはこういったものがあります。
- 病院の支払い
- 遺体の搬送代
- 駆けつけてくれた方の食事
- 家族が移動する交通費
- 葬儀関連費用
金融機関は亡くなった事実を知った段階で故人の口座は凍結されます。
相続財産を保護するためですが、急ぎ必要なお金であっても引き出すことができなくなりますので注意。
支払いにクレジットカードが使えない場所も多いので、ある程度の現金を事前に引きだしておくことをおすすめします。
3.所属寺院への連絡
もしもの時にお世話になる所属寺院へ事前の連絡をいれておきましょう。
東京など大都市圏では亡くなった後、葬儀まで数日の猶予がありますが、地方では亡くなったその日の夜に通夜、翌日には葬儀という急なスケジュールになることもあります。
危篤で余談を許さない状態であることを事前に伝えておくことで、僧侶も心構えができスケジュールを調整しやすくなります。
臨終勤行・通夜・葬儀の流れがスムーズに進みやすくなります。
お寺にご縁がうすく、連絡先がわからない場合は調べておきましょう。
4.葬儀社を調べておく
ここ10年ほどで自宅での葬儀をつとめる方は激減し、葬儀会館で葬儀をされる方が多くなりました。
現代では葬儀社の力をかりずに葬儀を行うということはほとんどありません。
地域での評判やインターネットで検索するなど葬儀社について事前に情報を集めておきましょう。
あまりこんなことを書きたくはありませんが、葬儀社によっては家族の気持ちや意思をくみ取れない業者も存在します。
家族が亡くなったあとバタバタしているうちに、パッと契約してしまった葬儀社に高額請求をされるというトラブルもあります。
危篤状態から数日は持ちこたえることができても、いつかは亡くなってしまう身です。
悲しいけれども最期のお見送りを納得してつとめられるように、どこの葬儀社がよいか下調べをしておくことも重要なことです。
葬祭業社には病院での手続きのあとに遺体の搬送をお願いすることになります。
家族が危篤になった時にやるべきことまとめ
親しい人の危篤の宣告をうけた時には気が動転するかもしれません。
しかし、最期に顔をみたいと思っている方にとってはあなたの連絡が頼りとなります。
落ち着いて行動するのはとても難しいことかもしれませんが、最期のお別れの時間に悔いが残らないようにしてください。