2017年8月26日に善照寺本堂にて高橋重人さんのウクレレコンサートを開催致しました。
今回の新たな試みは住職とゲストの対談!! ただの音楽の演奏会ということだけじゃなく、対談があることでお寺でイベントを開催する意義がしっかり表現できたのではないかと思います。
対談の内容も記事としてまとめましたよ!
ウクレレ×仏教 プログラム
- 住職と副住職によるおつとめ
- あいさつ
- ウクレレキイチさん演奏
- 〜休憩〜
- 「ウクレレ×仏教」高橋重人さん×住職の対談
- 高橋重人さんの演奏
という形で1時間半にもなる盛りだくさんの内容でした。
ウクレレキイチさんは昨年ホロホロボーイズとしてお寺で演奏してくださいました。
▼本堂は大変暑かったのですが、窓から吹き抜ける風と虫の音とウクレレの音色が響いてすごくいい雰囲気でした。(受付をするウクレレキイチさん)
高橋重人さんプロフィール
今では希少なウクレレの伝統的な奏法、ピッキングソロ奏法により奏でる。 ソロウクレレ奏者として世界11ヵ国で演奏! アメリカ、カナダ、スウェーデン、韓国、タイ、オーストラリア、中国といった東西のウクレレフェスティバルに出演し、同時にワークショップを行う。 今までのウクレレ、ハワイアンのイメージとは違い、ウクレレだけで奏でる多彩な表現力、音楽性で多くの聴衆を魅了している。
ウクレレ×仏教 高橋重人さんと対談したよ!パート1
こちらこそ、よろしくお願い致します。
いきなり質問なんですけれども。
最初にお勤めをして頂いたのですが、あれはどういったものなのですか?
今日お勤めをさせてもらったのは「初夜礼讃(しょやらいさん)」というお勤めの一部を読ませて頂きました。
もともとこのお勤めは「六時礼讃(ろくじらいさん)」といって、24時間を6つに区切って4時間おきに6回のお勤めをします。
丸1日をかけてお勤めをするのですが、その中の初夜という19時〜23時をあらわす初夜に勤められる初夜礼讃というお勤めの一部を読ませて頂きました。
へ〜。
唱えていると言っていいのか・・・・
あれはどういった内容のものなのですか?
皆さんお坊さんがお勤めする時というのは、「亡くなった方のためにお経を読んでいる」という思っている方が多いと思います。
そうですね。
大変大雑把な言い方になりますけれども、浄土真宗でお勤めするのはすべて仏様を讃えるという意味でお勤めしています。
ご本尊として中心にお迎えしているのが阿弥陀如来という仏様です。
この仏様を「阿弥陀さん超スゴイ」「阿弥陀さんマジやばい」ってことをいろいろな形で表現しているんですね。
阿弥陀如来さまの奇跡の物語ということでしょうか?
奇跡というよりは「お徳」と言いますね。
これは仏様がどういうはたらきや目覚めさせ方をしてくれるのか?ということですね。
私はですね…今日ここに来るまでは仏教というのはお釈迦様が1番えらいと思っていたんですが、そういうことではないんですか?
お釈迦様はもちろん仏様として尊敬して讃えてはいますが、1番えらいという言い方はちょっと違うかもしれませんね。
仏の世界は平等な世界ですから。
なるほど。
お釈迦様というのはもともとインドに実在した1人の人間なんです。
そうですね。
王族として生まれて、お金もあるし権力もあるし食べるには困らない身分の方でした。
普通に暮らしていたら不自由なく一生を終えられる、そんな立場だったわけです。
そのお釈迦様が
- 老いている人
- 病気の人
- 死んでいる人
これらの人々の姿を目にして、人間の命の現実ということを目の当たりにしたわけです。
人として生まれると、老いて病気になってやがて死んでいく。
そのことをどのように乗り越えていくのかという道を求めた方なんです。
なるほど。
なるほど。
お釈迦様の説いた真理とか智慧というものは目に見えないわけです。
それを後の人がお釈迦様の姿を参考に、こちら側にとらえやすく擬人化したのが仏様の表現なんです。
で、お釈迦様が1番偉いかどうかはちょっと置いておいて、仏様っていうのも無数にいてそれぞれに担当する専門分野が違うんですよね。
守備範囲が違うんですね。
そうですね。
阿弥陀如来は全部面倒見る感じでしょうか?
そう、全部面倒みるんです。
修行もできないクソみたいな人間をどうにかするぞ!という仏様ですね。
落ちこぼれでも?
落ちこぼれこそ助けたいと思っておられると言われますね。
それを2人がかりで礼讃するという形なんですね。
あと、お勤めというのはメロディーがあるんですか?
ありますね。
今日お勤めしたものはメロディーが特徴的で音楽的に聞いていられる感じですよね。
そう、音楽的だな〜と思って聞いてたんですよ。
このお坊さんのお勤めというのも浄土の表現のひとつと言われます。
本堂の様子を見て頂きたいのですが、中心にご本尊である阿弥陀仏がおられて周囲はすごくキンキラキンですよね。
すごくキラキラして華やかですよね。
そうなんです。
これは浄土というのはこういう素晴らしい世界なんだよという表現なんです。
本当にこんな世界がどこか別の次元にあるかどうか?という話ではなくて、浄土というのは目にも見えないし色も形もなくて人間には知覚出来るものではないけど、こういう世界に行きたいと思わせるためにキラキラした表現になっているんですよ。
彫刻とか…絵画とか…いろんな芸術が施されていますよね?
仏様の世界は素晴らしいもんなんだよ、という表現ですよね。
浄土とはほど遠い、俗世間に生きる人たちに「自分もそういう世界に入っていきたい、生まれていきたい」という心を呼び起こすはたらきがあるわけです。
光があって、花があって……
お香の香りは空気が清浄であることの表現ですよね。
そう、今日はすごくいい香りがしてますよね。
お香の香りですね。
高級なお線香なんですか?
はい、ちょっといいお線香をお供えさせて頂いています。
線香・お香のオススメまとめ!沈香や伽羅など本当のいい香りを知るお坊さんが紹介しました!!
これは嗅覚に訴えているわけですね。
ここでお勤めの話に戻るんですけれども、お勤めというのは聴覚にうったえているということですね。
お経の中にも浄土には素晴らしい音楽が流れているということが書かれていますけれどもその表現のひとつということになります。
なるほど。
西洋の教会とかも彫刻や聖人とか立派な方の絵が天井まで描かれていますよね。
それに通じる物がありそうですね。
当時のヨーロッパではいろんな言葉があって布教といいますか、美しい世界を伝えようと思っても言葉が違うとなかなかうまく伝わらなかったそうですね。
ですから、きれいな音楽とか絵画でこんな素敵な世界があるということを伝えたんだという話を聞いた事があります。
仏教もそういう言葉を越えた形で伝えてきたのでしょうか??
それもあると思いますね。
というのも、言葉の表現というのは限界があるわけですよね。
言語が違うからわからないということもそうだし、言語で素晴らしさを100%伝えきることはできないわけですよね。
言語という仕組み自身のもつ限界というものがあります。
そういったことからも五感にうったえる表現というのは有効であったといえるのではないでしょうか。
先日ライトワークという何百というレーザー光線を機械で制御して光を演出するというものを見たのですが、将来的にはお寺にもそういう物が導入されることはありますか??
ん〜どうでしょうねぇ…(笑
みんなが「これは良い!」と思ったら採用されるかもしれませんよね。
長くなりますので対談パート2へ続く。
お寺で弾くのも初めてですが、ウクレレ×仏教という非常に珍しいイベントを開催して頂くということで、大変楽しみに来ました。
今日はよろしくお願い致します。